【お悩み】子どもにどうやって「道徳」を理解させれば良いか分からない

先日、私の本棚から長男が見つけて来たのが【5歳からの哲学】。

少し前に面白そうだな、と思って買ったものの、読まないままになっていた1冊。(そういう本が山のようにあります…。)

私は、息子が私の本棚に興味を持ってくれたことや、気になる本を手に取ってくれたことがとても嬉しくて、次男も呼び寄せて三人で一緒に読みました。

この本は、哲学的なテーマと、それに関する短いお話、それを受けて子供に投げかける質問がワンセットとして構成されています。

5歳からの哲学

5歳からの哲学 [ ベリーズ・ゴート ]

1,760円
(2021.6.5現在・楽天価格)

本書は5歳から上の子どもたちに哲学の手ほどきをする本です。現役の小学校教諭と大学の哲学教授の共同執筆によるもので、実践的かつ学術的。子どもの思考力、集中力、そして議論する力を飛躍的に伸ばします。

哲学を学んだ経験がなくても心配はいりません。子どもに哲学を教える作業の第一歩は、まず子どもに哲学的な議論をするチャンスを与え、その議論に集中させることです。本書のプランに従って、親と子、先生と子どもたち、いっしょに哲学を楽しみましょう。

楽天books より引用

こんな悩みをお持ちのパパ・ママにオススメ

  • 子どもに「嘘をついてはいけない」とか「お友達とは仲良くしてね」と言うような”道徳”を教えているけれど、イマイチ理解してくれていない気がする
  • 子どもに論理的思考力や正しい倫理観を身につけてもらいたいけど、何をすれば良いか分からない
  • 子どもに、きちんと自分の意見を言えるようになってもらいたい

「哲学」とは?

本書の説明をするまえに、「そもそも、哲学って何?」と言う疑問についてさっとご説明します。

人生・世界、事物の根源のあり方・原理を、理性によって求めようとする学問また、経験からつくりあげた人生観。

Oxford Languagesの定義

なるほど。「経験から作り上げた人生観」と言われると、少し分かるような気がしますね。

5歳からの哲学では、哲学をすることにより、子どもは以下のような数多くのスキルを身につける、と書いています。

哲学により子供が身につけ得るスキルとは?

  • 批判的な論理的思考力…理由付け、反論や判例の判定、原則を発見し、差別化する能力
  • 想像的思考力…独自の考えを生み出し、議論を通してそれを発展させる能力
  • 集中力…集中を持続させる能力
  • 聴く力…他人が話しているときに、邪魔することなく注意深く耳を傾ける能力
  • コミュニケーション能力…自身の考えを言葉にして、明確に他者に与える能力
  • 社交性…他社の考えに敬意を払い、許容する能力

5歳からの哲学 P.8より引用

では、実際に私が本書を通して子供と議論して楽しかった、いくつかのエピソードをご紹介していきたいと思います。

「良いウソ」と「悪いウソ」

まず最初に選んだのは、「どんな時でも本当の事を言うべきかどうか?」という事について考えさせられるお話です。

ある日、お母さんから「おもちゃを片付けた?」と聞かれたカースティは、本当は片付けていないのに、その場しのぎで「片付けたよ」と言います。その後、お母さんが散らかったままになっていたおもちゃにつまずいてけがをしてしまいます。

5歳からの哲学 P.92より要約

このお話の後に、子どもに1つめの質問を投げかけます。

Q:カースティは、初めからお母さんに本当の事を言うべきだったと思う?

息子たちは二人とも、当たり前のように「本当の事を言うべきに決まってる」と答えました。

お話は続きます。

ある日、カースティの家にやってきたおばあちゃんが、「今日はプレゼントがあるの」と言います。カースティはワクワクしながらプレゼントを受け取ります。それは、おばあちゃんが心を込めて作ってくれた帽子でした。

カースティは思います。「こんなダサい帽子、絶対かぶれないよ!」

でも、おばあちゃんには「素敵な帽子!ありがとう!学校にかぶっていくね」と伝えます。おばあちゃんはニコニコしながら「気に入ってくれてよかったわ。カースティに似合う材料を探すのは大変だったのよ」と答えました。

5歳からの哲学 P.94より要約

Q:カースティはおばあちゃんに本当の事を言うべきだったと思う?

この質問に対して、長男は「絶対言うべきじゃないよ!」と即答しました。理由は、「せっかく贈ってくれたおばあちゃんの気持を考えたら、悪く言う事はできないでしょ」との事。

一方の次男は、「本当の事を言う!!!だって、そう思うんだもん!」ととても素直な返事。

Mayu

そういえば次男は、パパからもらったお土産を「なんだ、こんなものか!いらない!」と言った前科(?)の持ち主だったな💦

この後は、「いつでも本当の事を言うべき」か、「場合によって本当の事を言うべきではない」かについて、子供たちと議論が盛り上がりました。

大人は「優しいウソ」なんていう都合の良い言い回しを使いますが、このニュアンスを子供に理解してもらうのは少し難しいのかも知れませんね。

とは言え、何でもかんでも本当の事を言っていたらトラブルメーカーになりかねないので、やはり「嘘をつく事」は100%悪いとは言い切れないけれど、「自己利益のために嘘をつく事は絶対に悪いと言えるという事を子供には教えました。

「怖い気持ち」との向き合い方は?

次に選んだのは、「怖がるのが正しいのはどんな時か」という事について考えさせられるお話です。

ある日、森の中でウサギとネズミが遊んでいたら、突然大きな音に続いてドシーン!というとてつもなく大きな音がしました。2匹は「怖いよー!」と口々に言いながら、その場から一目散に逃げだしました。

5歳からの哲学 P.158より要約

このお話の後に、子どもに1つめの質問です。

Q:ネズミが怖がったのは正しかったと思う?

息子たちに順番に聞いていきます。二人とも、「正しかった!だって、正体不明の音なんて警戒した方が良いに決まってるもん!」と答えました。

お話は続きます。

キャベツ畑に逃げ込んだウサギとネズミ。おいしそうなキャベツを食べようとすると、ネズミが悲鳴を上げます。ネズミが指さす先には”かかし”が立っていました。

怖がるネズミにウサギが言います。

「怖がらなくていいよ。かかしは、木と布と野菜でできているんだから」と。ネズミは「でも、怖い!」と言って逃げ出し、結局ウサギはゆっくりとキャベツを楽しみました。

5歳からの哲学 P.161より要約

Q:ネズミが怖がったのは正しかったと思う?

この質問に対して、長男は「正しいよ。だって、そのかかしが安全かどうかの保障はない訳だから、警戒するに越したことはないでしょ。」と答えました。

一方の次男は、「絶対正しくない!!!だって、かかしだもん!」と力説。

Mayu

何事にも慎重派の長男と、リスクを冒してでも挑戦したがる次男の性格の違いが浮き彫りになりました。

教育の良い機会を得た!と思った私は、「常に一定の警戒心は持っていないといけないけれど、むやみに恐れる事によって、何かを得られるチャンスを逃す可能性があるから、自分の中できちんと判断して、必要な時には怖がらずに挑戦した方が良いよ。」と伝えました。

書籍の総評

私はこの本は、とても良い本だと思いました。

子供と、常識や価値観について議論を交わす事って意外とないし、あったとしたらそれは、子供が常識はずれな事をして叱るタイミングだったりするので、ニュートラルな心理状態で客観的に事象を見て、思考を巡らせて、意見を交わしながら生きていくうえで必要な知恵について教える事ができるのは素晴らしいと感じました。

何より、子供たちが興味を持ち、「次の話は?」といくつもの話を聞きたがり、意見を言いたがり、議論をしたがってくれた事がとても大きな喜びでした。

書籍の概要

書籍の概要

5歳からの哲学 [ ベリーズ・ゴート ]

★★★★☆(4.2点/5点中)

著者:ベリーズ ゴート (著), モラグ ゴート (著), 高月 園子 (翻訳)
出版社:晶文社
ISBN:4794970722
初版日:2019年1月31日

紙の本の価格:1,760円
※税込価格(2021.6.5現在)

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